2012年3月30日金曜日

◎以下は平成23年に寄せられた動物病院からのメッセージです。
≪動物病院からの緊急の訴え≫ 平成23年8月24日

                          柘植裕子

 福島市飯野町にある被災犬、猫の第一シェルターで下痢が頻発しています。
数か月前から早川日記さんのブログで下痢止め用の缶詰とドライフードの支援をお願いしてきましたが、8月に入り、3キロ圏内の冨岡町、大熊町など原発事故以来初めての一時帰宅があり、5か月ぶりに犬猫が沢山保護されました。
 食べ物が枯渇した末にカエル、蛇の捕食をしていたらしくマンソン劣頭条虫という悪性のサナダ虫の感染が大多数です。感染すると猫でも2メートルものひもかわうどんのような平べったい寄生虫が5ミリ間隔についている棘を腸壁にひっかけて栄養分を吸い血便、粘血便の下痢をおこします。
 駆虫はすすんでいますが、下痢がなかなか止まりませんし、痩せてガリガリです。
シェルターでの動物の保護は、原発事故さえなければまったく必要のないものです。
しかし、シェルターの建設費用、運営費、臨時の世話をするトレーナーの人件費、動物の医薬品、食糧等々・・は、少ない県の予算からとほとんどが国民の浄財、寄付で賄われています。
 なぜ、東電や国に請求しないのか?してもくださらなかったのか?わかりませんが、今でも大半が(ボランティアや獣医師などの)持ち寄りで賄っています。
飯野だけでも犬猫・猫あわせて200頭以上います。ボランティアが入らなければ、3~5人で病気もふくめて世話をしています。動物達の食餌は、待ったなしです。毎日のことですから。せっかく保護したのにもかかわらず時には、命を落とす子もいます。
 飼い主が故郷に戻れなければシェルターの犬猫は、いったいいつまで狭い犬舎の中で自由もなく暮らし続けなければならないのか?人間でいえば、終身刑の囚人が牢屋の中で生涯を終えるのと同じようなものです。健康状態を早く良好にして、飼育を断念された動物から普通の家庭への里親を募っていますので、ペットショップで動物を購入する予定の方は、是非里親になってここにいる動物の命を繋いでください。

動物病院の連絡先は
当方にメールください。写真は現地で求めている、いわゆる「療養食」で、缶詰のほうは、スペシフィックのFRWと言う商品で、ドライフードはヒルズ猫用i/dドライという商品です。「どちらもネットで購入できますが、値段が高いので申し訳なく思います。」(柘植)福島県動物救護本部への支援 も可能です。


 
  続報1、 8月25日、柘植さんからのメール。
 さっそく支援の申し出がありました。感謝します。
やれどもやれども・・終わりません。今週、来週で、さらに3キロ圏内から助け出される予定ですが、病気でその後が大変です。頑張るしかありません。
さっき、コンビニに花ちゃん(原発周辺で保護した犬)を連れて行きました。買い物してもどると、顔がパッと笑うんです。よほど不安だったのです。
 思わず抱きしめてしまいました。まだ、喜怒哀楽というかあまり喜べない態度が見えて、心配してましたが、少しは私も頼られているようです。

この下の記事をご覧ください。私でも泣きます。
Thu, August 25, 2011 18:18:21
命の柱。死体の処理が始まりました
テーマ:ブログ
マロマの守人さんのブログからです。
転載の了承を頂いたので

 福島の瓦礫を少しでも引き受けようなどという発想はまったくないのですね。
 最近、少し・・時々悲しくなるのです。とはいえ、がんばっぺ!でいかないと毎日が終われません。ごん太は、元気、花ちゃんも太り当院にいる連中は、とりあえず幸せなはず?動物達の行先はいつになったら決まるのか?
 毎日、一頭が引き取られると新入りが入り、の繰り返しですがシェルターの職員さんボランティアさん、本当に良くやっています。心より感謝する毎日です。
ご支援を下さった皆様、本当にありがとうございました。現金の支援は、来週中にワクチンを購入する予定でおります。

続報8 10月28日、都内の支援者からの連絡
 柘植さんに電話して必要なものを聞きました。
○療養用の食事は、現在は支援物資で足りている。
○ジャーキー
餌とは別に犬を誘導するため使っているがこれが結構なくなる
○古新聞紙
ゲージ内に細かく切って細かく敷き詰める。
○古い毛布 犬、保温用
○フリースの安いひざ掛け(100円ー200円で売っているもの)
 ネコ用に使用
○ネコのダンボールにはホッカカイロを使用。現在は支援物資で足りている。
(あまったのをもらったような、、)

※需要はどんどん変化しますし、同じものを送ってもらっても困る場合もありますので、
その都度事前に確かめられるのがいいと思います。


続報9 11月21日、柘植さんからのメール
○ごん太は元気
○花ちゃんとはお別れ
○皆さんのおかげでシェルターの環境は改善したが、
○里親、餌支援はまだまだ必要

 いつものようにゴン太をつれて、荒川の河川敷に朝の散歩・・最近は、うんと、ずーっと遠くの水道橋まで行かないとウンチをしないゴン太。ゴン太の作戦かも?最近は長い散歩じゃないとつまらないらしい。
 でも、私が散歩をさせてやらなければならない犬は、ゴン太だけではないのです。おかげで、最近の体脂肪率は、サッカーの三浦和義くらいかも?
荒川は、吾妻連邦を水源とする豊饒な一級河川です。水鳥が多種舞い降りる美しかった河川敷です。残念なことに原発事故のために放射線量も高く、その後の台風での流木やゴミは片付けられることなく荒れ放題になっています。
 ビニールひもやレジ袋、看板や自転車まで流れ着いている河原のゴミは、水鳥にとっては致命傷になります。そんな心配が現実に目の前で繰り広げられてしまいました。いつもいる小鷺が、あしにコンビニの袋のようなものを付けて飛び立ちました。まるで、空母に着艦する戦闘機が広げるパラシュートのように、丸く空気を含んだ袋は、小鷺の飛ぶ力を制御するように低空飛行。それを追う二羽のカラスが、と、気が付いた瞬間に白い羽毛が飛び散って落下。
 ゴン太とともに茫然・・・弱肉強食の自然とはいえ、袋がなければ見なくてもすんだ一コマでした。そろそろ、白鳥も飛来始めているのに、今年は、多くの水鳥が事故に巻き込まれなければと考えています。

 今週は、ゴン太の同居犬、小高からきた花ちゃんが、新潟に避難している飼い主さんのところに引き取られていきます。とはいっても、小高の借り上げている動物用のプレハブに行くのですが・・すっかり禿げていた被毛もフサフサのきつね色の毛がはえ、元気になった花ちゃん。すっかり病気もなおり寒い新潟でも頑張ってほしいと思っています。でも、少し・・寂しいです、すっかりなついて目を細めて笑うようになったのです。あ~さびしい・・・・・。
 花ちゃんが行ってしまうと、だいぶ容体の悪いおじいさん犬が入ってきます。さて、気持ちを持ち直してがんばろうっと。
 皆様のおかげで福島の第一シェルターの食糧事情は、格段に改善されました。ヒルズの注文が多かったためか、ヒルズからの支援も入り餌の質は大改善でした。その後のフリースや毛布支援も多く、施設は、お世事にも立派とは言い難いのですが、居心地は、とても良くなっています。本当に心より感謝しております。ただ、運営費が2年はもたないように聞いており心配しています。なんとか、政府や東電からの支援が得られないか考えております。皆様も、ここの動物達の里親さんに、また、このような境遇にある動物達のことを皆様に広めていただければと思っております。
リンク、転載します。

゜・*:.。..。.:*・゜゜・*:.。..。.:*・゜
どうして行政は無関心なのでしょうか?
いったい、動物達が何したって言うんですかね?
何の為の行政?
国民を苦しめる為?
こんなに苦しめて楽しいのか?
埋葬も許可されない動物もいるんですよね・・・。
日本はこんなに冷たい国やったっけ?
もうちょっと人情があると思ったのに。
このままでは、絶対にダメになりますね。
お偉いさん達は、この沢山の犠牲になった命を背負っていけれますか?
・・・って背負う気もないでしょうが・・・。
本当に心から、犠牲になった沢山の命に対して本当に本当に
ごめん。
もう、辛くも、喉が渇くことも、お腹が減る事も、淋しくもないから安らかに眠って下さい。


続報2、 8月26日、柘植さんからのメール。
 こんばんは、本当に支援が沢山きて驚いています。
石巻や三陸では、ペットフードは、いらないと言われるそうですが、福島のシェルターは、足りなくなっています。
 本来なら、国の予算や県から出るべきものです。昭和62年に環境省が、産業動物やペットの飼育管理をする管理者が、災害時に保護する義務付けを法的に履行しなければならないことを決めています。その管理者が被災者であるため国や県が代行対処しなければならないのですが、今の政権は全く何もやっていません。少なくても自民党時代・・山古志でも1200頭の牛を一月後には全頭助けました。今でも少しは間に合うにのに相変わらず何も動かない・・・何という愛情のない冷たい政権か!昨日など250頭の犬猫の世話を、たった二人のトレーナーでしたそうです。
 ボラんティアが入らない日は、泥のように疲労しながらの世話です。事故がおきなければいいですが・・・。今回の支援は、本当にありがたく申し訳なく思っています。ありがとうを100回くらい言っています。(独り言ですが・・)先日、冨岡町から5か月ぶりに保護されてうちにきた8歳の雌猫は、1,5キロしか体重がありませんでした。本当の骨と皮です。警戒区域は、人がいないので残飯もなくどうやって命を繋いできたのか?今朝がた大下痢をしたので検便したところ、やはりマンソン裂頭条虫の卵がかつて見たことがないほど顕微鏡でみました。カエルを食べていたんですね。人間なら死んでいますね。飼い主は「仮設住宅で飼えるかしら?」と言っています。人も大変なんでしょう。

続報3、 8月30日、柘植さんからのメール。
 大助かりです、またFRWは、食欲のない犬が喜んで食べるのと、コクシジウムの駆除剤が苦い上に30~40日にわたり内服が必要なために、この缶詰をお団子にして中に薬を仕込みます。
パクリと食べてくれて楽に投薬できます。それにしても、今からの心配は、9月に県の捕獲が本格的になるためにさらに数が増えて病気の動物達も多くなることです。第一シェルターは、被災した獣医さんが常駐することになりましたが、問題は、餌が相変わらず支援に頼らなければならないことです。東電、政府の支援が何故でないのか?いつまで、国民に甘えてるつもりなのでしょうか?
※政府にも陳情が必要なようです。

続報4、 9月3日、柘植さんからのメール。
第一シェルターの様子がここにも少し出ています。

続報5、 9月11日、柘植さんからのメール。

皆さんご支援ありがとうございます。
 毎日、処方食、犬用おやつ、猫のトイレの砂と色々届いております。個別でお礼状を書きたいのですが、病院の仕事、荷物の仕分けと忙殺され御礼がおくれています。
シェルターでは、下痢がおさまりつつあり猫の風邪もだいぶ下火になってきました。みな、飼い主さんがわかっている動物が多いようですが、ほどんど避難している状況のために引き取りが進まないようです。今は、まだ暑い日が続きますが、東北の冬はあっという間にやってきます。寒くなる前にそれぞれの飼い主さん、また里子に譲渡される子はそれなりに落ち着いてほしいところです。 
 中で働く方々も毎日一生懸命に世話をして下さっています。動物達が下痢をせずに健康状態が良く維持できれば、、それに越したことはありません。皆様に送っていただいた処方食は、無駄にせずに大切に使われているようで、喜んで食べることとお腹の調子が良いことに御礼を言われております。なお、現金を下さった方の使用用途は、下痢止めの注射液200A,コクシジウムの駆虫薬(トリブリッセン注射液50CC入り2バイアル、トリブリッセン錠480ミリ100錠、)、疥癬治療薬レボリューション250本を購入しました。シェルターの中での治療に使われています。行政からの支援はあまりなく、こうして皆様から送られるもの、一部企業からのご寄附があってのシェルター維持です。県の食品衛生課の皆様も、通常の業務の上にシェルターの仕事、放射線の高い立ち入り禁止区域での捕獲作業と、大変なご苦労をなされています。はやく、シェルターの撤収が望ましいところですが、原発の事故終息を迎え、避難されている皆様がそれぞれの故郷に戻れるまでは、せっかく助かった命を大切に世話をしていくことになります。新たな災害がおきたり、福島の原発事故が終息を見ない前に日常化して、皆様の中で埋没した過去のものになることがとても心配です。
すでにボランティアが先細りになったり、餌の支援がピタッと止まることもあり、そのような時は、少し心配になります。沢山は望みません、少しづつ長いスパンでのご支援をお願いします。

シェルター内での動物の情報も含めボランティア募集の登録等
ここ(福島県動物救護本部)にアクセスをお願いします。

続報6、 9月13日、柘植さんからのメール。

 田中祥子さんからの支援が届いていますが、住所がありません。くれぐれもありがとうとお伝えください。今まで、これ程親切にしていただいたことは経験がなく驚いています。「今の日本人は~」などと悪しざまに言う方もおられますが、とんでもありません!皆様の御好意にはどうお返ししたらいいかわかりません。
皆様、決して生活に余裕がある方ばかりではないでしょうに、荷物の一つ一つを見るにつけ暖かい心が伝ってきて感謝にたえません。動物達に成り代わり御礼を申し上げます。 

続報7 10月6日、柘植さんからのメール

 長い間、御礼も申し上げず失礼しておりました。
8月以来、4頭の病気の猫をみておりました。中には、5か月間に及びまったく餌を与えられずに命を繋いでいたのもいました。
 全頭、回復して無事飼い主さん、里親さんの元に引き取られていきました。
皆様のおかげでシェルター内の動物達は、下痢も良くなり太って毛並もととのってきました。とても可愛くなり里親さんの来るのを待っております。県の動物救護本部のホームページには、それらの動物達の写真が掲載されております。是非一度みて下さい。
 先日、警戒区域から8頭の猫を捕獲してきた方の話では、犬達は、警戒心が強くほとんど捕獲は無理になってきているようです。猫は、搬送中にした便がコオロギとバッタだけの便だったそうです。夏の暑いさ中はカエル、へび。秋に入り捕食は昆虫になりましたが、ほとんど消化されずにそのまま排泄されます。セミを食べていた動物達は、消化不良の下痢に苦しみます。冬をむかえれば、食べ物は何もなくなります。
 それを思うと、シェルターの動物達は、自由はないものの、雨風にもあたらず餌ももらえ、最近は、暖房もいれてもらっており良いとしなければなりません。警戒が解除になっても除染は遅々として進まず、人は、ほとんど戻ることが出来ない状況です。改めて原発事故の、被害の程を思い知らされています。遮二無二、原発に反対するものではありませんが、今の原発推進派は、近視眼的に自分たちの生きている間だけ良ければ良いと考えているのだと思います。でなければ、核廃棄物の処理法が確立されていない、現段階の原子力発電の恩恵だけ受ける、などという自分勝手な利用が出来るわけがありません。福島のものは、なんであれ放射線量を取沙汰され風評加害を受けております。コンクリートの橋、船舶のエンジン、花火、宝石のように美しくおいしい果物・・東京に里親が決まり、都内の動物病院で治療を受け ようとした犬が、具合が悪いのにもかかわらず「シャンプーしてからでないと診ません」と来院拒否、あげたらキリがないほど嫌われて おります。東京の方々の生活、産業、文化を支えてきた電気は、福島のこの現実の上に積まれてきたものではありませんか?
◇年末を迎えて、最近の動き
 民間のボランティア団体による、許可を得ての警戒区域内の犬猫救出は12月の27日で終わりお正月になってしまいました。生きていくのにやっとの動物達に正月も何もないはずですが・・しかし、今日2日も餌置き、勧奨区域の置き去り犬への犬小屋設置へ送り出したところでした。夜の11時にです。飯野のシェルターも休みなしで世話をしております。 生きているものの面倒は一日も休めないのは当然のことですが、最近は、つと考えるに、本当に家も大切なものも動物も放り出して逃げる必要があったのか?また、帰宅をこれほど厳密に規制し放りっぱなしにする必要性はあったのか?お向かいの家の池は最近25マイクロでした。半年前は計測していなかったのでわかりませんが飯館より高いのに我々は、避難指示どころか歯牙にもかけられておりません??逃げてもいないし。
 その庭の無花果は、毎年ハクビシンに狙われてほとんど収穫できなかったのに、今年は、腐れ落ちておりました。ハクビシンはどこへ行ったのか?この原発事故は、本当にどこがどう悪いのか訳が分からなくなりました。政府の無策無能は、語るのもウンザリで私など諦めております。
 そうは言っても動物達だけは、なんとか助けてやりたい思いでいます。今年もシェルター支援は、まだ必要ですが、だいぶ飯野は頭数が減り今110頭になっています。ごん太の隣の犬舎には飯野のシェルターから来た新入りの「じっち」(このあたりの方言で「おらげのじっち」うちのおじいさんの意)新入りといっても骨皮筋衛門の体に認知症、耳は聞こえない・・カルテには、保護時の特徴「衰弱」とあり、下痢吐き気がとまらずに「どうせ死ぬならせめて病院で」とスタッフが連れてきたのでした。
 ごん太には、「夜の介護は頼んだよ」と言い聞かせておりますが、時々ウォ~と意味不明の遠吠えをするために「じっちうるせ~」とごん太が吠えております。じっちは、看取る必要もなくなり、支援でいただいたマイクロファイバーの毛布をフカフカにして一日中湯たんぽを抱いて寝ております。夜病院で最後の見回りをするとき、穏やかな寝息をたてている無防備な姿にホットします。「何も心配ないからね・・」

「最近、氷遊びに凝っているごん太」






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